「クーパン」は狙い撃ちされたのか

 プラットフォーム法とは、クーパンなどの一定規模以上のオンラインプラットフォーム事業者を「支配的事業者」としてあらかじめ指定し、彼らの反則行為を常時監視し迅速に摘発するという趣旨の法案だ。

 小規模事業者の保護のためにプラットフォーム出店業者に対する不公正待遇などを強力に規制するものだが、そのためにプラットフォーム側にアルゴリズム公開を義務化している。反則行為が摘発された企業に対しては売上の数%に達する天文学的課徴金を賦課することができ、営業停止命令も下すことができる。

 米国は、この法案が自国のビッグテック企業であるグーグルやアップル、メタ、クーパンなどを標的にしていると強く反発している。米国商工会議所と米政府は同法を「米国企業に対する標的規制」「革新に対する懲罰」と規定し、「両国は相手国のデジタルサービスおよびプラットフォーム事業者に対して自国企業と同等かそれに準ずる非差別的待遇を保障する」という共同ファクトシートの合意に反すると主張しているのである。

 しかも、韓国市場におけるシェアがまだ低いアリエクスプレスやTemuなどの中国ビッグテック企業が、規制対象から外れることで反射利益を得る可能性があるとし、李在明政権の親中性向にまで疑いの目を向けている。個人情報流出事件を発端とするEコマース企業「クーパン」への李在明政権の集中砲火のような異常圧力に対して米政府・政界が3回も警告を発した背景には、米国側のこのような状況認識があるのだ。

クーパンは韓国最大のオンラインショッピング事業者であるが、韓国系アメリカ人・ボム・キム氏が創業し、アメリカに本社を置き、NY株式市場に上場するアメリカ企業である(写真:Thomas Fuller/SOPA Images via ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ)