しかし、11月に発表された両国首脳の「共同ファクトシート」では、現金の割合が当初の主張より10倍以上も高い57%(2000億ドル)と確定し、米韓通貨スワップは締結されなかった。

 それでもこの時、韓国政府は「4重の安全装置」を作ったとして、韓国国民を安心させた。具体的には、①2000億ドルを毎年200億ドルずつ10年間分割投資するという「年間投資上限制」、②韓国の外国為替市場が不安定な場合、アメリカ側に投資金額と時点の調整を要請できるという「外国為替市場の安全性連携」条項、③すべての投資には必ず元金回収の可能性と収益性が立証されなければならないという「商業的合理性」条項、④韓国の産業相が委員長を務める「米韓投資協議会の構成」条項などだ。

 こうした条項を根拠に、韓国政府は「日本より有利な条件で合意した」と主張し、韓国の主張に同調する外国メディアもあった。

米韓の関税交渉、再び破局の道へ

 だが、李在明大統領がみずから共同ファクトシートの発表者として登場しては「韓米同盟のルネサンス時代を大きく開いた」と自画自賛した関税交渉は、今年1月26日のトランプ大統領の「関税再引き上げ発言」によって再び破局に向かっている。

 トランプ大統領とアメリカ政府は、韓国がファクトシートを“履行していない”という次元を離れて、ファクトシートに“違反している”と見ている。

 具体的には対米投資履行のための法的根拠づくりが遅れていることや、アメリカのテック企業が差別されたりしないことを保証する「デジタル非関税障壁の撤廃または緩和」という合意事項を韓国が守っていないことを問題視している。

 最近、アメリカ政府は韓国政府と国会の立法状況について異例にも数回にわたって公式な懸念を表明した。代表的なのが「オンラインプラットフォーム仲介取引公正化法(以下、プラットフォーム法)」と「情報通信網法改正案」だ。