無関心から目覚める米国民

 そうすることで、トランプはどんな権力掌握にも欠かせない無関心から国民を目覚めさせている。

 ある人はかつて、トランプの無能さは彼の悪意を凌駕すると言った。この観察の顕著な特徴が今、丸見えになっている。

 プレッティは退役軍人向け施設の集中治療室で働く看護師だった。グッドは6歳児の母親で、「大丈夫よ、私はあなたに怒っていないから」というのが最後の言葉だった。

 2人とも、米国のどの町にもいる、家の雪かきを手伝い、ジャンプスターター(編集部注:車のバッテリーが上がった時に使う携帯型の蓄電池)で車にエンジンをかけると名乗り出てくる親切な隣人として即座に認識できる。

「ミネソタ・ナイス」というフレーズは、そうした人たちで特に知られる州を描写している。彼らをテロリストとして描くことはダークユーモア的に滑稽で、甚だしく的外れだ。

 妥当な恐怖は、広く予想されている共和党の敗北を阻止するためにトランプが11月の米国中間選挙を不正に操作することだ。だが、大統領は責任を問われずにやり遂げる手段を自分自身から奪っている。

 何らかの不正操作がうまくいくためには、投票箱に虚偽の用紙が詰まっているとか、不法移民がバスで投票所に運ばれているといったことを信じる意思がある人が一定数いなければならない。

 トランプに仕えている中身が空っぽの部下は、容易に否定できるプロパガンダでこの道具をぶち壊している。

 それが次に、トランプの実働部隊を無効化する可能性がある。

 ICEと国境警備隊は、投票所に押し寄せる「不法移民」に関する大ニュースに対応する連邦精鋭部隊だ。

 米国民は今、マスクもしていない市民の顔に銃を突きつける覆面姿の男たちを嫌というほど知っている。