こんなシニアはお断り

 体力のほかに、知力もチェックしている。

「認知能力は見させていただいてます。前の仕事の内容を細かく聞いても、説明ができない方は問題ですね。食品を扱っているので、配合ミスや分量ミスがあると、その日に作ったものを全部廃棄することも起こりえます」

 そしてやはり一番はこれだ。

「やっぱりお人柄です。性格が柔らかく、腰が低い人は長続きします。工場は一人で黙々とやる作業というイメージを持たれる方もいますが、コミュニケーションを取らなければならないシーンも多いので」

 そして、コミュニケーションにおいてZさんがやっかいだと感じているのがこんな人である。

「年功序列が強い職場にいたシニアです。面接の時、僕が部屋に入ってきても、シニア男性の中には席にふんぞり返っている方もいる。僕が年下だからでしょう。こういう人は若い社員が指示を出しても、素直に言うことを聞いてくれない。どんなに人手が足りなくても、こういう方は採用しません」

 同じ業界の出身者も要注意だという。

「自分は経験者だし、年上だから指導的立場でいたいという思いがある。前の会社ではこうやっていたとか、この会社はこんなルールでいいのかとか言ってきます。でも『郷に入れば郷に従え』ですよ。こうした方は入ってから社内になじめず、苦戦するケースが多い」
 
 いくら人手不足とはいえ、誰でもいいというわけではない。Zさんの工場で採用されるシニアは応募してきたうちの4~5割だ。

 そしてシニアを採用する側にも、心構えが必要だとZさんは言う。