ドバイでは売っていないドバイのクッキー
2025年から、韓国で「ドチョンク」と呼ばれる聞き慣れないスイーツが、社会現象といえるほどの人気を集めている。
正式名称は「ドバイもちもちクッキー」。中東スイーツの要素を取り入れた新感覚デザートだ。
興味深いのは、その名前とは裏腹に、このお菓子がアラブ首長国連邦(UAE)最大の都市であるドバイでは売られていないことだ。
純粋に韓国発のオリジナル商品なのである。
首都圏の人気ベーカリーやカフェの前には早朝から行列ができ、1個5000ウォン(約500円)から1万ウォン(約1000円)という価格にもかかわらず、「お一人様一個まで」といった購入制限付きで瞬く間に完売する光景が日常化している。
ネット上には、ドチョンクを扱う店舗の場所や在庫状況、更新時刻まで確認できる「ドチョンクマップ」なるサイトまで登場した。もはや流行の概念を超えた熱狂ぶりだ。
ドチョンクとは何物なのか。
バターで炒めた中東風の細い麺状生地「カダイフ」とピスタチオクリームをマシュマロ生地に練り込み、丸めてカカオパウダーをまぶしたデザートである。
名前には「クッキー」と付くが、食感は日本の求肥(ぎゅうひ)や韓国の餅に近い。
外側は軽くサクッとしながら、中はしっとり、もちもち。韓国で好まれる「外はサクサク、中はもっちり」という黄金パターンを見事に押さえている。

