大ヒットの裏に韓国経済の悩みあり
ウォン安と物価高で海外旅行は遠のき、「大きな贅沢」は控えられがちだ。
その中で、ドチョンクは「スモール・ラグジュアリー」として受け止められている。
ドバイの高級チョコレートを想起させる名称、ピスタチオを惜しみなく使ったプレミアム感、写真映えする見た目。日常の延長線上で手に入る非日常が、若者の心をつかんだ。
消費者心理を研究するある専門家は、この現象を「リップスティック効果」と重ねて説明している。
景気後退期に現れがちな、高額消費を避けつつ比較的手頃な価格の贅沢品(口紅など)に満足を求める心理だ。
高級バッグや海外旅行の代わりに、数千ウォンのスイーツで満たされる。ドチョンクは、その象徴というのである。
この熱狂を最も素早くビジネスに転換したのが、韓国のコンビニエンスストア各社だ。
「CU」、「GS25」、「セブンイレブン」、「イーマート24」は、ドチョンクをモチーフにしたチョコボール、ブラウニー、餅スイーツを次々に投入。店舗ごとに「完売商品」を競う構図が生まれている。
GS25では関連商品が2カ月間で100万個以上、CUの商品も累計180万個を突破したと報じられた。
コンビニにとってドチョンクは、もはや単なるヒット商品ではなく、「流行を素早く形にする力」を示すショーケースとなっている。