高市首相との会談で歴史問題に深く立ち入らず
結局、首脳会談では長生炭鉱の遺体収拾以外の歴史懸案については言及がなかったようだ。大統領就任前まで歴史懸案に対して日本を強く非難してきた李大統領だが、支持層の要求より急変する国際情勢の中で安定した日韓関係を維持することに重点を置いたのだろう。
韓国メディアも「過去史(歴史懸案)に対する実用的アプローチ」(釜山日報)、「過去史協力に第一歩を踏み出した」(韓国日報)、「長年の葛藤に足を引っ張られるより未来のために包括的協力が必要だということに共感した」(韓国経済)、「両国が協力可能な簡単な問題から解決しようとする努力を始めたという点で少なくない意味がある」(ハンギョレ)などと高く評価している。
ただ、日韓首脳の共同記者会見では「中国に対する温度差」が見えてきた点も事実だ。
高市首相が「日韓、日米韓の連帯強化」を数回も強調したのに対し、李大統領は「韓中日の3国間疎通と協力強化」という発言を共同宣言文に含めた。
また、中国からレアアースの輸出禁止措置を受けている立場の高市首相が「サプライチェーンの協力に対するより一層進展した対話があった」と言及した内容が、李大統領の発表文からは抜けていた。
韓国にとって半導体産業は国家の基幹産業ではあるが、原材料は中国へ、核心素材などの先端技術は日本へ依存しなければならないというジレンマがある。日本に対する中国政府のレアアース輸出禁止措置は、韓国の半導体産業界にも少なからず打撃となりかねない。