思えば李大統領は、訪中の間、中国政府の主要政治家から第二次世界大戦を想起させられ、“日本に対抗しよう”という要求を絶えず聞かされ続けた。李大統領はその度に、「韓中は共に日本軍国主義侵略に対抗した」などの発言で適当に相槌を打った。
訪中中の李在明大統領。中国シャオミのスマホで、自身と金恵京夫人、中国の習近平主席と彭麗媛夫人を自撮りしてみせた(李在明氏のXより)
中国で李在明氏は「抗日共闘」に同意したのか?
訪中の最終日は日本の植民地支配時期に韓国の独立運動家たちが上海で発足させた大韓民国臨時政府の庁舎跡を訪問した。
この時、李大統領は、「韓国独立運動の歴史は中国の存在を除いては語れない」「独立と解放に向けた中国と韓国の構成員たちのこの激しい闘争は歴史に長く残り、両国の絆と連帯に大きな根になるだろう」と強調した。
聞き方によっては、中国側の「歴史問題に対する共同闘争」という主張に力を与えた発言だった。
中国の官営メディアの『人民日報』は、「歴史問題がまだ終結していないという明確なシグナル」と期待感を示し、韓国の保守紙『朝鮮日報』は「日本はもちろん、米国に疑問を与えかねない発言」と憂慮した。
そして日本国で開かれる日韓首脳会談で「長生炭鉱(山口県の海底炭鉱)水没事件で埋没させられた朝鮮人労働者の遺骨収拾に対する協力方策」という歴史関連懸案が正式議題として取り上げられることが決まると、韓国では憂慮と期待が交錯した。
歴史問題が未来に向けた韓日協力を阻害してはならないという保守圏と経済界の憂慮と、この機に他の歴史懸案に対しても明確な問題提起をすべきだという進歩圏と市民運動界の期待が入り混じったのだ。