精神論では届かない、会社の赤字と個人をつなぐ「赤い糸」の論理
なぜ社員は危機感を覚えないのか、私は事業再生の苦しい経験の中で探し続けた。やがて答えらしきものが見えた。なーんだ、と言えるようなフレームワークだが、それを実行するのは簡単ではない。
社員が危機感をもたないのは、事業不振の原因に、自分個人がどう関わっているのか、個人としての因果関係が見えないからである。
その関係が、細い糸でもいいから見えてくれば、他部署や経営者のせいだけでなく、「自分もまずいことをしてきたのだ」と気づく。そうなれば、真面目な日本人の多くは自分の責任を認識する。
その糸を、私は「赤い糸」と呼ぶことにした。
前世からの因縁で、男と女の小指同士をつなぐ赤い糸の話じゃないが、会社全体の危機(例えば大赤字)に個人として自分がどう関係しているかが見えなければ、自分に無関係だと思っても当然ではないか。事業不振は他人のせいだと思い続けることが当然ではないか。
だったら、個々の社員が自分の責任を感じるようにするためにはどうすればいいのか。見えない関係を何とか赤い糸として見えるようにする以外にない。
そのためにはどうすればいいのか。私は10年間、その手法を探し続け、そのための工夫を続けた。