「いい発想」に出合ったサイン
■ステップ③:自分が心から納得できるかを問う
発想の具現化が進んだら、次は「自分が心から納得できるか」を問うステップです。N1ニーズから生まれた発想が、本当にあなたにとって行動の動機になるかを確認します。ここが発想力で最も重要な分岐点です。
私が「popIn Aladdin」のアイデアを社内で最初に発表し、「popIn Kids」(後のAladdin)を作ると言ったとき、その場にいたメンバー全員が半信半疑でした。ハードウェアを作った経験はゼロ、工場の手配などの具体的なプランもありませんから当然です。
しかし、私にはまったく迷いがありませんでした。あったのは、「作りたい」という強い願望と、具体的な完成イメージだけです。なぜなら、それは単なる妄想ではなく、「実現できる」と心から納得できる発想だったからです。すべてのネガティブな要因を超えて、前に進ませる力を持った発想。それこそがいい発想なのです。
「実現せずにはいられない」と自分に第一歩を踏み出させる発想。私がいつも指針にするのは「やらないと気が済まない」「ワクワクして寝られない」という感覚です。
あなたの頭にある発想が浮かび、深夜まで考えて興奮しながら眠り、翌朝起きてもまだまだやる気が持続していて、具現化のためのプランがいくつも出てくる……そんな発想と出合ったら、絶対に逃してはいけません。それは、あなただけが形にできる最高のアイデアかもしれないからです。
このような「強い願望」と「具体的な完成イメージ」がわきあがってくるときこそ、「いい発想」に出合ったサインです。