「ステップ0」で最も大切なこと

■ステップ0:信念を持つ。なぜこれをするのかの意味を見出す

 思いが実現しない場合、そこには根本的な原因、共通点があります。それは、「形にすること=実現」と考えてしまっていることです。例えば、次のような状態です。

◎新規事業で、他社の成功事例を真似して売れそうなプランを立ててしまう
◎同窓会で転職して年収が増えた友人の話を聞き、転職しようと準備を始めてしまう
◎トップやクライアントが「やれ」と言うからとりあえず仕事に取りかかってしまう

 これらは以下の「ゴールデン・サークル」の図で言えば、「WHAT」と「HOW」を行き来している状態です。「なぜ、実現したいのか、実現しなければいけないのか」という「WHY」の掘り下げが足りていないため、行動の動機がぼんやりしています。

 この状態だと、自分もチームも心から納得しないまま動き出して、途中で熱が冷めたり、ネガティブな意見に惑わされたり、小さなトラブルで挫けたりして、目指した目標を実現できないままに終わってしまうのです。

 だから、実現力のステップ⓪は「信念を持つ」です。

 ステップ⓪「信念を持つ」で最も重視するのは、本質的な方向性を誤らないこと。それが次のステップ①の差別化にもつながります。「本質的な方向性を誤らない」とは、自分の人生観、価値観に反した方向の取り組みはしないということ。

 儲かりそうだから、やる。会社に言われたから嫌だけど、始める。強く誘われて断れないから、取り組む。そんなスタートを切ると長続きしません。また、人の邪魔をする人たちはできない理由を探し、必ずその点を突いてきます。

 しかし、実現する動機を人生観、価値観と照らし合わせたときに違和感がなければ、大丈夫。その方向性は間違っていません。