過剰借り入れ
今のところ、米国の企業と家計はレバレッジが過剰には見えない。だが、マグニフィセントセブンは1年前と比べても、それほど大した「キャッシュマシン」ではない。
アマゾン・ドット・コムとメタ、マイクロソフトの3社は今、有利子負債が現預金などの手元資金を上回っており、そうしたネットデット企業の数が2023年の1社から増えた。
各社の利益は増加し続けているが、あまりに多くの資金がAIに流れ込んでいることから、まだ山のような現金を生み出しているのはグーグルとエヌビディアだけだ。
そして今回、記録的な財政赤字のせいで債務は政府のバランスシート上に積み上がっており、大きなリスクになっている。
債券投資家が米国の不安定な財政を疑問視するようになれば、長期金利を押し上げ、経済全体に波紋を広げる可能性がある。
一方、金融市場におけるレバレッジは個別株を購入するための伝統的なマージンローン(証券担保ローン)の域を超えて広がっている。今では投資の賭けを増幅するために資金を借りるファンドもある。
こうした「レバレッジドETF(上場投資信託)」は個人投資家が容易にアクセスすることができ、過去10年間で運用資産が7倍に拡大して1400億ドル前後に達している。
資金が枯渇し始めるまで膨らむ?
これらを総合すると、すべてのOは程度の差こそあれ、AIがバブルの領域に入り、それもかなり進んだ段階に達したことを示唆している。
しかし、歴史は自らの重みに耐えきれずにバブルが崩壊する正確なポイントが存在しないことも示している。
19世紀の鉄道バブルまでさかのぼり、暴落を招く引き金は常に金利の上昇と金融情勢の引き締めだった。
このため我々は明らかにバブルの領域に入っているものの、バブルを膨らませる資金が枯渇し始めるまでは膨らみ続けていくのかもしれない。