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プロンプトの巧拙で結果に大きな差

目次

　生成AIを使いこなすための最大のポイントは、どのように指示を与えるかという点にあります。

　米オープンAIの提供する生成AI「ChatGPT」を含む大規模言語モデルは、人間の質問や依頼を「プロンプト」と呼ばれるテキスト入力によって受け取るのです。

　このプロンプトの質によって、AIから返ってくる回答の正確性や深さ、さらには創造性まで大きく変わってしまいます。

　例えば、同じく「ビジネスに役立つAI活用法を教えてください」と入力した場合でも、曖昧な表現であれば一般的なアドバイスしか返ってきません。

　しかし「中小企業の人材不足を解消するためのAI活用法を、導入コストと効果を比較しながら3つ提案してください」と入力すれば、具体的かつ実務に直結した回答が得られます。

　つまり、AIを武器として使うためには、プロンプト作成力そのものが新しいスキルセットになりつつあるのです。

　ところが、このプロンプト設計は決して簡単ではありません。

　ビジネスパーソンの多くはAI研究者ではなく、日常業務に追われています。そのため「もっと良い答えを引き出したいが、どう質問すればいいか分からない」という声を数多く耳にします。

　こうした課題を解決するために、OpenAIは「プロンプトオプティマイザー」という無料のツールを提供しています。

　名前の通り、ユーザーが入力した指示文を解析し、AIにとって理解しやすく、より良い出力を引き出せる形に自動的に書き直してくれる仕組みです。

　自分のプロンプトを構造化して提案してくれます。特に長いプロンプトが必要な、「カスタムGPT（GPTs）」の作成には役立つのです。

　例えば「新しいマーケティング戦略のアイデアを考えて」と入力した場合、プロンプトオプティマイザーはそれを「現在の市場動向を踏まえ、中小企業が低予算で実施できるデジタルマーケティング戦略を、3つの実例と効果測定の方法を含めて提案してください」といった形に変換してくれます。

　こうすることで、ユーザーが意図した以上に精度が高く、実務に役立つ情報をAIから引き出せるのです。