背景に「マイクロソフト1強」からの脱却

 オープンAIがアマゾンと手を組んだ背景には、10月下旬に行った組織再編がある。

 この再編で、最大の提携先であるマイクロソフトに従来与えていた、クラウド調達に関する優先交渉権(第一拒否権、Right of First Refusal)を撤廃。

 これにより、オープンAIは計算資源の調達先をより自由に選定できるようになった。

 オープンAIにとって、特定の半導体メーカー(エヌビディア)や特定のクラウド事業者(マイクロソフト)にインフラを依存する体制は、事業継続上の大きなリスクだった。

 実際、同社は計算資源の確保と供給網の多角化を急ピッチで進めており、10月にはエヌビディアの競合である米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とも半導体の調達で提携している。

 今回の契約により、オープンAIは既に巨額契約を結ぶマイクロソフトや米オラクル、そしてグーグルに加え、クラウド市場の大手すべてから供給を受ける体制を整えたことになる。