7.独自兵器でなくても北朝鮮製に見せかける

 北朝鮮は、米欧が製造しウクライナ戦争で使われて、敵を殺傷している兵器があれば、形だけを真似て製造する。

 北朝鮮は世界のトップレベルの兵器を形だけ真似て製造するのが得意だ。実戦で使用できるものはほとんどないし、動くかどうかも怪しい。

 特別な例として、北朝鮮は、2023年7月の軍事パレードに米国の無人攻撃機「MQ-9リーパー」や無人偵察機「グローバルホーク」に酷似の航空機を登場させ、実際に飛行させたことがある。

 だが、米国製の無人機の機能があるとは考えられない。

 一方、北朝鮮はロシアから技術協力を受けて兵器を製造する場合もある。ロシアの防空兵器S-300/400がそれに当たる。

 しかし、ロシア製のS-300/400でさえもウクライナのドローンを打ち漏らし、逆に破壊されている。

 北朝鮮の防空兵器は形がよく似ているが、ロシア製のものよりも当然精度は落ちると考えてよいだろう。

 北朝鮮が公表する兵器の写真や発表内容には、プロパガンダが含まれるケースが多い。

 プロパガンダか本物かを見抜くためには、北朝鮮製兵器の親分格であるロシア製兵器の評価がまず必要だ。

 ウクライナ戦争が続いている中で、ロシア製の兵器は米欧の兵器とどのように戦い、それらを破壊しているのか、逆に破壊されているのかを詳細に知る必要がある。

 その結果を踏まえて、ロシアから北朝鮮に供与されている技術で作られた兵器か、あるいは形だけを真似て製造した兵器かを判断する必要がある。