企業の投資判断から個人の資産配分、株式市場の評価軸まで変わる
30年国債利回りが3%を超えるという現実は、単なる数字の上昇ではない。企業の投資判断から個人の資産配分、さらには株式市場の評価軸に至るまで、経済社会が目標とする利回りそのものを押し上げる地殻変動の兆しである。
長らく眠っていた金利が再び息を吹き返し、時間の価値がゆるやかに回復しつつある中、株式の配当利回りや株価水準にも、新たな均衡を探る動きがにじみ始めるはず。派手な変化ではないにせよ、この静かな転換の先に、次の時代の資産運用と市場評価の常識が芽吹くのかもしれない。
平山 賢一(ひらやま・けんいち) 麗澤大学経済学部教授/東京海上アセットマネジメント チーフストラテジスト
1966年生まれ。資産運用会社を経て、1997年東京海上火災保険(現:東京海上日動火災保険)に入社。2001年東京海上アセットマネジメントに転籍、チーフファンドマネジャー、執行役員運用本部長(最高投資責任者)を歴任。2025年からは経済史研究を軸足に現代の金融市場を分析。メディア出演のほか、レポート・著書などを多数執筆。主著に『戦前・戦時期の金融市場 1940年代化する国債・株式マーケット』(日本経済新聞出版)、『金利の歴史』(中央経済社)、『物価の歴史』(中央経済社)などがある。



