ドイツ発ディスカウントスーパー大手、アルディ(Aldi)は以前から自社名を冠した新パッケージでブランドイメージの向上を図っている。
ウォルマートもアマゾンの発表と同日、PB食品から合成着色料などを排除して品質向上をアピールするなど、各社は顧客のつなぎ止めに動いている。
EC軸に攻勢、配送網とPBで顧客囲い込み
アマゾンは新ブランド立ち上げに合わせ、シナモンロールや冷蔵ピザ生地といった新商品を投入。今後数カ月以内に冷凍パスタやグラノーラなども追加する計画で、品ぞろえの拡充を急ぐ。
果物の包装でプラスチック使用量を半減させるなど、環境配慮をアピールする動きもみられる。
同社の食料品事業については、英国で展開する食品スーパー「アマゾン・フレッシュ」を全店閉鎖するなど、実店舗戦略で試行錯誤が続いていた。
一方、アマゾンはEコマース(EC=電子商取引)を軸とした食料品事業の最適化を進めている。
その布石が8月に発表された、生鮮食料品を通常の当日EC配送網に統合する施策だ。
これによりプライム会員は、牛乳や野菜といった生鮮品を、他の日用品や家電などと同じカートでまとめて注文し、数時間以内に受け取れるようになった。
食料品という高頻度の接点を自社のプラットフォームに完全に組み込むことで、顧客の囲い込みを強化する狙いだ。
米調査会社イーマーケターのアナリストは「PBに自社名を冠することで、ブランドへの親近感と顧客ロイヤルティを高める狙いがある」と分析する。
今回の新ブランド投入は、アマゾンが巨大な顧客基盤と配送網を武器に、食料品市場で競合からシェア奪取を目指す戦略的一手といえそうだ。
(参考・関連記事)「米Amazonのワンストップショッピングが完成形へ 「牛乳も家電と同じワンカート」 | JBpress (ジェイビープレス)」