戸惑う世論

 だが、税金で作られる高価な勲章を、政府や与党が先頭に立って非難するトランプ大統領に授与するというアイディアは、一般の国民はもちろん支持者の間でも非難する世論が圧倒的だ。民主党の支持者の多くが読んでいる「ハンギョレ」の記事には、次のようなコメントが付いている。

「いくら国益優先でも卑屈なことはするな。これこそ無窮花大勲章という勲章の価値を色あせさせることだ」

「希代の詐欺師で商人に無窮花大勲章を? 国格が落ちるよ」

「なぜ? どうして? トランプが何をしたの…関税爆弾…?」

「恥をかくのが国民の役目か」

「国内では関税批判世論を作っておいて訪問する大統領には勲章授与…。そうすることが交渉に役立つかどうかは分かりませんが、真正性が落ちることは国民もトランプ大統領も知っていると思います」

 一方、16日に渡米してラトニック商務長官と2時間にわたる関税協議をして帰ってきた金容範(キム・ヨンボム)大統領府政策室長は「実質的な進展があった」とし、「APEC開催前に関税交渉が妥結する可能性が高くなった」と明らかにした。