Pixabayからの画像
大きな誤解はなぜ生じたのか
ビジネスの現場で「NLP」という言葉を耳にしたとき、多くの人が同じものを思い浮かべるわけではありません。
ある経営者は「最近、AIのNLPを学んでコミュニケーション力を高めたい」と語っていました。
しかし詳しく聞くと、それは人工知能の自然言語処理(Natural Language Processing)ではなく、心理学的なNLP(Neuro Linguistic Programming)のことを指していたのです。
同じNLPという略語を使っていながら、心理学と人工知能という全く異なる分野を意味しています。
ここに大きな誤解が生まれる理由があるでしょう。
そして同時に、この誤解こそが未来の新しいサービスを生み出す出発点にもなり得るのです。
NLPコーチングとは何か
心理学的なNLPは、1970年代に米国の言語学者と心理学者によって開発されました。
人間の脳の働き(Neuro)、言葉の使い方(Linguistic)、行動のパターン(Programming)を関連づけ、人の思考や行動を望ましい方向に変えることを目的としています。
具体的には「相手の言葉のパターンを捉え、無意識の思考を意識化する」「リフレーミング(視点など立ち位置を変えること)によって否定的な考えを新しい見方に置き換える」といった技術が用いられます。
営業、プレゼンテーション、リーダーシップ開発、さらにはメンタルケアの現場でも活用されてきました。
日本でも1990年代以降に広まり、自己啓発や企業研修の文脈で定着しています。