武家の妻は御新造と称された。一方で、妾は「眼をかけて世話する女」の意だが、江戸時代では、妾は奉公人という立場で雇われていた(画像は「江ノ島寄御新造」渓斎英泉 画)
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 普段、普通に接触して話をしている場合には、大した特色も見られなかった平凡な女性が、こと恋愛の関係となると思いもよらぬ敏感な反応を示すことがある。

 大らかな美しい様子がしばしば見られたり、すこぶる魅力的な表情が現れたりするなど、細やかな女性らしい心遣いや驚くほどの女性の知恵を発揮する場合があるのだ。
 
 そうした場合、男性はその女性に心を惹かれたり、離れ難く思ったりするものである。
 
 現在の性愛関係は、単に相手を求めることが性急で、若い人はより多くの異性に言い寄られることを、得意に思う人もいるのではないか。
 
 そうした人は、仲間うちで自分が異性に人気があることを知らしめようとしたり、見栄を張って背伸びをしたりして、自分の優位性を満たすことで悦に入る人もいるだろう。
 
 だが、そうした人は多くの異性と交流した結果、複数の異性の性欲に応えようと、性愛秘戯の技巧を覚えたり、己の肉欲の快楽を追求したりして、その心地よさに、いまが人生の最大幸福の瞬間ではないかといった、錯覚に陥ることもあるかもしれない。

「恋愛は理性より、狂気が上回る」といわれる。

 そうした心の容態につけ込み、魅力的な異性が、有頂天となった人の人生に入り込み、往く手を塞さぎ、不幸な過ちへと導いて行った、といったことは、よくある話である。

 最近は男女の出会いや結婚にマッチングアプリを利用する人が急増しているようだ。

 結婚したカップルの33.3%がマッチングアプリを利用し、そこで出逢った人の50%以上が2年以内で結婚しているという調査結果もある。
 
 だが、あるセキュリティ・ブランドによるマッチングアプリの実態調査によれば、アプリで出会い系詐欺に遭った人は14%にも及ぶという。

 相手がアプリに参加するのが疑問に思えるほど、美男・美女すぎた場合には、冷静になって今一度、立ち止まる必要もあるだろう。
 
 また、お金に関する相談や話題が頻繁に出きた場合、結婚詐欺、ロマンス詐欺、デート商法、マルチ商法、投資詐欺、ぼったくり詐欺などに巻き込まれる危険性も留意したい。

 令和6(2024)年、恋愛感情を抱かせて金銭を騙し取るロマンス詐欺の1年間の被害額は前年の約2倍の397億円にのぼったという。

 しかし、こうした恋愛感情を悪用した詐欺は、実は時代を超えて横行している。