「トモイク(共育)」の意識は着実に高まってはいるが…(写真はイメージ、T.TATSU/Shutterstock.com)
(川上 敬太郎:ワークスタイル研究家)
日本社会に広く浸透した「イクメン」という言葉
今年(2025年)7月に「トモイク(共育)プロジェクト」がスタートしたと聞いて、すぐにピンとくる方はまだ多くないかもしれません。
しかし、「イクメン」の後継プロジェクトと言い換えれば、イメージが湧きやすくなると思います。それほどイクメンという言葉は、日本社会に広く浸透しました。
厚生労働省が「イクメンプロジェクト」をスタートさせたのは、2010年のこと。この年、新語・流行語大賞のトップ10に選出されるほどイクメンという言葉は注目されました。
2024年に明治安田生命が実施した調査によると、0~6歳までの子どもがいる既婚男女の96.5%がイクメンという言葉を知っていると回答しています。
育児の脱ワンオペ実現に向け新たにトモイク(共育)プロジェクトがスタートしたことは、イクメンプロジェクトが開始から15年を経て、一定の役割を終えたことを意味します。では、イクメンがトモイクになることで何が変わり、どんな課題と向き合う必要があるのでしょうか。