7月27日夜、中国・上海の2025年世界人工智能会議で屋外で開催された初のAI-テーマナイトクリエイティブショー(写真:CFOTO/共同通信イメージズ)

産業用AIエージェントは工場の「指揮者」

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[上海発]世界30カ国・地域以上からチューリング賞やノーベル賞受賞者らエキスパート1200人以上が結集、800社以上が展示した上海の「世界人工智能大会」(WAIC)には60社以上の外資系・合弁企業が参加し、その中には約10社のグローバル企業も含まれていた。

 製造・エネルギー・建築分野の生成AI統合に注力する独電機メーカー、シーメンスはWAICに初出展。目玉は中国初公開となる産業用AIエージェントシステム「Industrial Copilot」だ。「スーパーアシスタント」であるだけでなくAI工場の「指揮者」でもある。

 AIエージェントとはユーザーに代わって目標実現のために最適な手段を自律的に選択してタスクを実行するAI技術。今回のWAICはまさにAIエージェントの見本市と化した。第二次大戦の原爆と同様「AIを制する者が世界を制する」という近未来を筆者は目の当たりにした。

 音声でエージェントに「新規注文を追加」というタスクを与えると画面上のコードが作動。ロボットアームが自律的に荷物を拾い上げ、運び、仕分けする。エージェントは注文入力、需要予測、設備制御、物流スケジューリングに至る複雑な産業プロセスを効率的に統合する。