米国の家電量販店ベスト・バイに陳列されたマイクロソフトのPC(7月29日、写真:AP/アフロ)
米マイクロソフトと米メタが7月30日に発表した2025年4~6月期決算は、そろって市場予想を上回る大幅な増収増益となった。
両社に共通するのは、人工知能(AI)への巨額投資が収益拡大に直結する好循環だ。
マイクロソフトはクラウド事業、メタは主力の広告事業という本業の利益を元手にAI開発競争をリードし、好調な業績がその戦略の正しさを裏付けた格好だ。
マイクロソフト、純利益が過去最高 AI需要追い風にクラウド事業が急成長
マイクロソフトの2025会計年度第4四半期(25年4~6月期)決算は、売上高が前年同期比18%増の764億4100万ドル(約11兆4100億円)、純利益は同24%増の272億3300万ドル(約4兆600億円)だった。
純利益は四半期ベースで過去最高を更新し、1株当たり利益(3.65ドル)と共に市場予想を上回った。
10四半期連続の増収増益で、8四半期連続の2桁増収、9四半期連続の2桁増益を確保した。生成AIサービスの需要拡大が、その基盤となる主力クラウド事業の成長を後押しし、好決算を牽引した。
MS、インテリジェント・クラウド26%増
好決算の原動力は、AIの基盤技術として需要が高まるクラウドサービスだ。全体の4割弱を占める主力「インテリジェント・クラウド」部門の売上高は、前年同期比26%増の298億7800万ドルだった。
AI事業の中核を担うクラウド基盤「Azure(アジュール)」などの売上高は39%増と、2025年1~3月期の33%増からさらに加速し、力強い成長が続いている。
Azureの25会計年度通期の売上高は、前期比34%増の750億ドルに達した。同社がこの数値を明らかにするのは初めてで、この額はアナリストの予測を若干上回った。
好調な決算を受け、マイクロソフトの株価は7月30日の米株式市場の時間外取引で9%以上上昇。このまま推移すれば、同社の時価総額は4兆ドルの大台に乗る可能性が出てきた。