武漢市のスタートアップが進めている人型ロボットの実用化研究(6月3日、写真:Featurechina/アフロ)
1.第2四半期GDP成長率5.2%の評価
中国の本年第2四半期(4~6月)の実質GDP(国内総生産)成長率は前年比+5.2%だった。
これは前年同期の伸び率が同+4.7%とやや低かったことによる反動の要因を含んでいるため、実勢より高めの伸びとなっている。
第2四半期GDPの前期比を見ると、伸び率は+1.1%であり、年率換算すれば+4.4%である。第1四半期(1~3月)は同+4.8%だったことから、前期に比べて減速している。
成長率の中身を見ると、外需の寄与度が前年比+1.2%と前期(同+2.1%)に比べて低下した。
外需の寄与度は、昨年の第3四半期(7~9月)以降、第4四半期、および本年第1四半期まで3四半期連続で2%を上回っていた。
新型コロナウイルス感染症のパンデミック以前、中国経済が巡航速度を保っている状況では外需の寄与度はほぼゼロだった。
昨年後半以降の外需の寄与度拡大は内需の低下によって輸入が減少し、貿易黒字が拡大した要因が大きかった。その意味では、本年第2四半期は以前の姿に近づいてきている。
外需のうち輸出(人民元建て)は、トランプ関税の影響で米国向けが前年比-22.9%と大幅に低下した。
しかし、ASEAN(東南アジア諸国連合)向け(同+19.0%)、EU向け(同+10.6%)等の伸びがそれをカバーしたため、第2四半期の輸出は前年比+7.6%と前期(同+6.3%)に比べてむしろ若干伸びが高まった。
これは予想外の結果だった。
ASEAN向けの高い伸びは米国向けの迂回輸出が主な押し上げ要因になったと見られている。
一方、輸入は同+0.3%と前期(同-6.0%)に比べて伸び率が高まった。これが外需の寄与度を低下させた主な要因である。
それでも5.2%というまずまずの伸びを実現できたのは内需の支えがあったからである(内需の寄与度は第1四半期+3.3%、第2四半期+4.0%)。