「リーグを代表するMFの1人」と紹介されたレアル・ソシエダの久保建英だが、2024~25年シーズンは5ゴールにとどまった (写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

JFA(日本サッカー協会)は23日、6月中に開催される2026年W杯北中米大会アジア最終予選2試合に向けた日本代表メンバーを発表した。27人中7人が初選出。一方で三笘薫、堂安律、板倉滉ら主力の名前がない。森保一監督はレギュラーシーズンで出場試合数の多かった選手への配慮を口にしながらも、「いろいろなチャレンジをしながら選手層を広げていきたい」と話した。背景には欧州トップリーグでの日本人選手の目覚ましい活躍がある。6月1日(日本時間)のUEFA(欧州サッカー連盟)チャンピオンズリーグ決勝戦で幕を閉じる2024~25年シーズン。各国のリーグ戦で評価を上げた選手たちを紹介しよう。

(森田 聡子:フリーライター・編集者)

欧州5大リーグで苦戦した日本代表たち

 欧州5大リーグの24~25年シーズンを振り返ると、英国のプレミアリーグでは日本代表のキャプテン、MF(ミッドフィルダー)遠藤航の在籍するリヴァプールが、ドイツリーグではDF(ディフェンダー)の伊藤洋輝が加入したバイエルン・ミュンヘンが、王座に返り咲いた。

 とはいえ、遠藤、伊藤ともに優勝カップを掲げるに値する活躍をしたとは言い難い。

 前シーズン20試合に先発出場を果たした遠藤はアルネ・スロット新監督の下で出場機会を減らし、試合終盤に投入される「クローザー」の役割に甘んじた。伊藤は加入直後の昨夏のプレシーズンマッチで右足の中足骨を骨折。25年2月にリーグ戦デビューを果たしたものの、翌3月に再び同じ箇所を骨折し、長期離脱を余儀なくされた。

 ともにチームが連覇を目指す25~26年シーズンが正念場となりそうだ。

 スペインリーグの公式サイトで「リーグを代表するMFの1人」と紹介されたレアル・ソシエダの久保建英にとっても、24~25年シーズンは不本意なものだったに違いない。

 前シーズンリーグ6位に躍進したチームが今季は深刻な不振に陥り、11位に沈んだ。その影響は大きく、ドリブル突破やパスの精度に定評のある“日本の至宝”も5ゴールにとどまった。

 レアル・ソシエダはシーズン終盤には引き分けを挟んで4連敗を喫し、イマノル・アルグアシル監督の退任が決定。チームは主力選手の入れ替えを計画しており、久保の移籍が現実味を帯びてきた。

 日本代表の主力3人が苦戦する中、今シーズン、欧州トップリーグで存在感を示したのは誰か。