
(国際ジャーナリスト・木村正人)
「プーチン大統領と私が会談するまで何も起こらない」
[ロンドン発]英誌エコノミスト(5月14日付)は「ドナルド・トランプ米大統領は優れたディール(取引)メーカーか」と題し「慌ただしい動きの中でトランプ氏は米国を世界の“保証人”ではなく、“仲裁人”へと変貌させつつある」と分析している。
トルコでの5月15日のウクライナ和平交渉にウラジーミル・プーチン露大統領が出席しないことについて、湾岸諸国歴訪中のトランプ氏は米大統領専用機エアフォースワンの機中で「いいかい、プーチン大統領と私が会談するまで何も起こらない」と答えた。
「私がいないのであれば彼に来るつもりはなかったのは明らかだ。私が会談するまでは好むと好まざるとにかかわらず、何も起こらない。しかし、あまりにも多くの人が亡くなっている以上、この問題を解決しないわけにはいかない」とプーチン批判を避けた。
米国は、自由と民主主義を錦の御旗に掲げたジョー・バイデン前米大統領時代のようなウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の“保証人”ではなく、プーチンとゼレンスキー氏の“仲裁人”だとの立場をトランプ氏は強調した。トランプ氏の野心とエネルギーは本物だ。