国保料減額につながる世帯分離とは
──本書では、国保料減額につながる方法をいくつも紹介されています。その中から「世帯分離」について教えてください。
笹井:「世帯分離」は、世帯を分離する手続きをするということですが、これは決して家族の縁を切るということではありません。
なぜ世帯を分離する必要があるのかというと、たとえば親が引退して年金生活をしていて国保に加入していて、その子どもも社会人で国保に加入しているなどの場合、その子どもの年収が700万円だとしたら、その世帯の収入が700万円という扱いになってしまうからです。
同じ家に暮らしていても、世帯を分離すると、年金生活の親の国保料が減額になる。年金生活者は均等割りのみであることが多く、かなり減額になると思います。
ただ、夫婦の場合は生計は一緒であると法律の概念では考えるので、それぞれに稼ぎがあったとしても、なぜ世帯を分離するのかという理由が説明できなければならない。親子の世帯分離であれ、夫婦の世帯分離であれ、生計が別でなければ世帯分離はできません。
──これはテクニックですよね。
笹井:はい。ですから、市役所に世帯分離の手続きをしに行くときに、「国保料を下げたいから世帯分離します」なんて言っちゃダメですよ。ややこしい議論に発展します(笑)。「生計が異なるから世帯分離をしたい」という一言でOKです。