木場公園(東京都江東区、写真:yourphoto/a.collectionRF/アマナイメージズ/共同通信イメージズ)

 首都圏では久々の本格的な新線計画として注目されている、東京メトロ有楽町線の延伸計画(豊洲~住吉間)。途中には新駅も設置され、マンション市場に大きな影響を与えそうだが、いまから購入を考えるとすればどのエリアが狙い目なのか──。住宅ジャーナリストの山下和之氏がレポートする。

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新線・新駅開発はマンション資産価値大幅アップのチャンス

 鉄道の新線・新駅建設は周辺の不動産やマンションの価格に大きな影響を与える。計画から開業までは長い年月がかかるので、その間に該当エリアの資産価値が高まるチャンスが幾度か訪れる。

 第一が、鉄道の延伸計画などが噂から信ぴょう性の高い情報と見られるようになった段階で、次が国土交通省や地元自治体から正式に認可されて工事が始まった段階。さらに工事が佳境に入り、現地での再開発が活発になり、生活利便性の向上が目に見えるようになってきた時期が第三段階。そして、最後が実際に開業して、交通利便性や生活利便性の向上を実感できるようになった時期だ。

 いま、首都圏の新線・新駅計画として注目されているのが、東京メトロの有楽町線の延伸計画である。すでに正式に認可が下りて工事が始まり、2030年代の半ばの開業予定まで決まっているため、前述の第二段階に当たる。

 もちろん、第一段階でのマンション取得であれば、購入後の資産価値の上昇幅が最も大きくなるが、まだ海のものとも山のものとも知れないリスクがあり、実際に動きだして完成するまでには長い年月がかかるため、その間不便な思いをしなければならない。

 その点、第二段階であれば、確実に予定が決まり、開業までの期間も明らかになっているのでメリットは大きい。今回取り上げる東京メトロ有楽町線の延伸工事が、まさにその段階に当たる。マンション購入のチャンスと言っていいだろう。