ツイッター買収でマスク氏がひそかに会った候補者
ツイッターでは、いや、テスラやスペースXやウォールストリートでも、マスクがだれかにツイッターの経営を任せるつもりなのか、どうなんだろうとささやきが交わされていた。
実はオーナーになったその日、マスクは、ひとりの候補者とひそかに会っている。ビデオストリーミングのアプリ、ペリスコープを立ち上げたケイボン・ベイクポールだ。
ペリスコープはツイッターに買収されたが、その後、お蔵入りにされてしまった。ベイクポールも、一時は製品開発のトップを務めたが、2022年、特段の説明もなくアグラウル(当時のツイッターCEO)にクビを切られている。
テック系投資家のスコット・ベルスキーも同席しておこなわれたマスクとベイクポールの会談は、精神融合を目の当たりにする感じだった。
「広告については、ちょっと考えていることがあります」とベイクポールが切り出す。「サブスクリプションを契約したユーザーに興味関心を尋ね、体験をパーソナライズするんです。サブスクリプションのメリットとして売り出すのもありでしょう」。
「そうですね。広告主も喜んでくれそうです」
「反対票ボタンも導入を考えてはいかがでしょう。ランキングにはユーザーのマイナス評価も反映させるべきですから」

「反対票は、お金の支払いで本人確認ができているユーザーにのみ使える機能にすべきでしょうね。そうしないとボット攻撃に利用されてしまいます」
最後に、マスクが気軽な雰囲気で尋ねた。
「戻ってくるつもりはありませんか?この仕事、たいそう気に入っておられるようにお見受けしました」
続けて、ツイッターを金融とコンテンツの融合プラットフォームにしたい、Xドットコムで夢見た要素をすべて盛り込みたいというビジョンを語る。
「そうですねぇ。迷うところです。あなたのことは尊敬していて、製品もみんな買ってきました。後日ご連絡申し上げるということでいいでしょうか」