
先ごろスペインで開催されたモバイル関連見本市「MWC 2025」で、中国のスマートフォンメーカーが最新技術を披露して存在感を高めた。しかし、第2次トランプ米政権によって米中間の技術対立が再燃する可能性がある。中国各社は警戒感を強めている。
シャオミ、オナー、オッポなど最新のスマホやAI技術披露
中国・小米(シャオミ)、中国OPPO(オッポ)、中国・伝音控股(トランシオン)、中国HONOR(オナー)など中国勢は、MWC 2025で最新スマホやAI(人工知能)技術を展示し、その技術力や競争力をアピールした。
シャオミはハイエンドのスマホを発表したほか、価格が52万9000元(約1100万円)の電気自動車(EV)「SU7 Ultra」も披露し、注目を集めた。オッポはAIのプライバシー機能をアピールし、トランシオン傘下の「TECNO」は眼鏡型AI端末を発表した。オナーはAIに100億米ドル(約1兆5000億円)を投資すると明らかにした。
中国・華為技術(ファーウェイ)も登場し、世界展開する3つ折りスマホ「Mate XT」を披露した。同社はグローバル市場への復帰を狙っている。
「ファーウェイの二の舞」懸念
しかし、米中対立の激化は、これら企業の成長に暗雲を投げかける。ファーウェイは第1次トランプ政権時の2019年、技術輸出規制の対象になり、半導体など重要部品の調達制約を受けた。これにより、同社のスマホ生産は激減した。
ファーウェイはその後、部品や基本ソフト(OS)の独自開発を進め、2023年8月に7ナノメートル(nm)技術で製造された半導体を採用したスマホを市場投入。それ以降、中国市場で徐々にシェアを伸ばしてきた。
香港の調査会社カウンターポイントリサーチによると、2024年10~12月、中国のスマホ市場でファーウェイの販売台数が約4年ぶりに首位に浮上した。ファーウェイは2020年まで中国市場で首位だったが、制裁の影響を受け、下位に後退していた。