
米配車サービス大手のウーバーテクノロジーズは、米グーグル系自動運転開発会社の米ウェイモと共同ブランドの有料自動運転配車サービス、いわゆるロボタクシーサービスを開始した。場所は米南部テキサス州のオースティン。米電気自動車(EV)大手テスラはこの都市に本社を構える。テスラも同様のサービスを計画しており、競争が激化しそうだ。
ウーバーCEO「電動化と自律走行が進む交通の未来」
「Waymo on Uber」とも表現される新サービスの利用者は、ウーバーのアプリを通じてウェイモのロボタクシーを呼び出し、市内の広範囲を移動できる。具体的には、オースティンのダウンタウンやハイドパーク、モントポリスなどの地域を含む96平方キロメートル。これは、JR東日本・山手線内側面積の1.5倍に相当する。
オースティンは、ウーバーがウェイモの車両群を管理・配車する初の都市となる。ウーバーのCEO(最高経営責任者)であるダラ・コスロシャヒ氏は声明で、「ウェイモの技術とウーバーの実績あるプラットフォームを活用し、電動化と自律走行が進む交通の未来を顧客に紹介できることを嬉しく思う」と述べた。
ウーバーとウェイモは2024年9月、オースティンに加え、同じく米南部のジョージア州アトランタでのサービス展開で提携すると明らかにした。両社が使用する車両は、英ジャガーランドローバー(Jaguar Land Rover、JLR)グループの高級車ブランド「ジャガー(Jaguar)」のEV「I-PACE(アイ・ペース)」である。この車両には、ウェイモの自動運転システム「Waymo Driver」が搭載され、ウェイモとウーバーの両ブランドが表示される。
ウーバーとウェイモは「ウィンウィン」
ウーバーはかつて自動運転車の開発に数百万ドル(数億円)を投じていたが、2020年に開発部門「アドバンスト・テクノロジーズ・グループ(ATG)」を売却した経緯がある。今回、ウーバーは自社の配車アプリにウェイモのロボタクシーを導入することで収益の一部を受け取れるほか、車両の開発に巨額資金を投じる必要がなくなった。
一方、ウェイモは、数千万人規模の顧客基盤を持つウーバーアプリを活用し、新規顧客を獲得できるといったメリットがある。ウーバーとウェイモは、2025年後半にアトランタでもサービスを開始し、事業拡大を加速させる。