大学事務局や周辺関係者によると、胡教授は1月24日にひそかに日本の家族のもとに戻り、その後は他大学の教授の勇退パーティなどにも出席していたという。
ただ、一時帰国にもかかわらず長期間戻ってこられなかった事情について胡教授は大学側に対し「何も言えない」としか語っていない。何らかの事情で中国当局に長期間拘束されのち、詳細については口外しないよう釘を刺されたうえで家族が待つ日本への出国が認められたとみられる。
胡教授は健康状態などに変わりはなく、代理の教員によって担当講義の穴を埋めてきた大学では、胡教授の来春からの教壇復帰について3月末までに決断する予定。すでに代理教員による講義計画なども組んでおり、「現時点では明確に回答できないが、限定的な復帰などで対応することになるかもしれない」と説明している。
学内では「名物教授」
胡教授は丸い顔に大きな体、親しみやすさ、教え方のうまさで学生に人気の名物教授として知られた。1960年中国・江蘇省生まれ。1984年北京大学中国言語文学学科中国語専攻卒。2001年に曁南大学中国言語文学学科博士課程(社会人コース)修了(文学博士)。

中国社会科学院語言文字応用研究所助理研究員を経て1992年に大阪外国語大学中国語学科専任講師、95年に同助教授、99年四天王寺国際仏教大学(のち四天王寺大学に改称)人文社会学部総合学科助教授、2009年に同学部教授となり2015年から新設の神戸学院大学グローバル・コミュニケーション学部の教授に。2021~22年度は同学部長も務めた。