アップルの新CFO(最高財務責任者、25年1月1日付就任)ケバン・パレク氏は、「アクティブデバイスの台数が全ての製品及び地域において過去最高に達したことを嬉しく思う」とコメントした。米メディア(AppleInside)によると、その数は、23億5000万台に達し、2022年以降5億5000万台増えた。
米CNBCによれば、アップルは主力製品であるiPhoneの販売台数を伸ばすのに苦戦しているが、好調なサービス事業が利益率を押し上げている。2024年10〜12月期の粗利益率は46.9%と、かつてない水準に達した。サービス部門は今やiPhoneに次ぐ事業規模となっている(ドイツStatistaのインフォグラフィックス)。
中華圏で苦戦 6四半期連続の減収
アップルの売上高を地域別に見ると、米州が前年同期比4%増の526億4800万ドル(約8兆1400億円)、欧州が11%増の338億6100万ドル(約5兆2400億円)だった。日本は16%増の89億8700万ドル(約1兆3900億円)、インドなどのその他アジア太平洋地域は1%増の102億9100万ドル(約1兆5900億円)と、いずれも増収だった。
これに対し、中国市場では苦戦が続いている。香港と台湾を含む中華圏の売上高は11%減の185億1300万ドル(約2兆8600億円)で、6四半期連続の減収。この落ち込みは過去4四半期で最も大きい。
香港の調査会社カウンターポイントリサーチによると、2024年10〜12月の中国スマホ市場でアップルは3位に転落した。中国・華為技術(ファーウェイ)の四半期ベース販売台数が約4年ぶりに首位に浮上し、これに中国・小米(シャオミ)が次いだ。アップルの販売台数は前年同期比18.2%減と、上位メーカーの中で最も落ち込みが激しかった。アップルは1年前に首位だったが、これら中国メーカーとの激しい競争に直面している。
アップルは2024年10月下旬に生成AI(人工知能)サービス「Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)」の提供を開始した。今後は、iOSソフトウエアのアップデートを通じて、対象言語を英語以外にも広げる計画だ。
だが米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、現時点でApple Intelligenceを中国で提供できるメドはたっていない。中国では国外の生成AIが禁止されているからだ。こうした中、アップルは中国のAI開発企業と連携する道を探っている。
アップルの新CFO(最高財務責任者)ケバン・パレク氏は決算説明会で「Apple Intelligenceは、顧客にとってアップグレードするもう1つの魅力的な理由になると考えている」と述べた。