4.マッハ12で軌道変更する滑空体の撃墜

 ウクライナ戦争では、ロシアが発射する短距離弾道ミサイル「イスカンデルM」(飛翔速度マッハ最大5.9)やこのミサイルを戦闘機から発射する「キンジャールミサイル」(最大マッハ10)は、ウクライナ軍が「パトリオットミサイル」を配備している地域では、ほとんど撃墜されている。

 この2種類のミサイルは、飛翔軌道を1回変更させることができるミサイルなのだが、現実には撃墜されている。

 ロシアもミサイル性能については、誇張と欺瞞が多いようだ。

 北朝鮮は、今回の弾道ミサイルを極超音速滑空体を搭載したミサイルで、飛翔軌道を1回変更し、飛翔速度はマッハ12であり、「打ち落とされることはない」と言っている。

 しかし、韓国は「北朝鮮の発表には、誇張や欺瞞がある」と発表している。

 韓国は、北朝鮮が発表しているミサイルの諸元について、あくまで最大値であり、高度100キロ以下を飛翔すれば、時間の経過とともに速度は落ち、飛翔軌道の変更も大きくはないと述べている。

 したがって、今回の実験レベルのミサイルに対しては、現段階では韓国が保有する防空ミサイルで撃墜が可能だと見ているのだろう。

 だが、北朝鮮が発表しているレベルまで性能が上がれば、撃ち漏らすこともあると考えるべきだ。