手洗い、うがい、マスクで予防を
インフルエンザやHMPV、新型コロナの複合感染拡大がもし中国で起きているなら、金持ちの高齢者にしてみれば、医薬品供給に余裕があり医療設備の整った日本で春節を過ごした方が安全だ。インフルエンザにかかったとしても、日本の方がむしろ安心、ということになる。
つまり、感染症に罹患したからといって旅行を取りやめる必要はないと判断するかもしれない。感染症予備軍があえて旅行先に日本を選択する可能性も十分に考えられるということだ。
中国人旅行者だからといって忌避すれば、それはそれで人種差別問題やヘイトとの非難を受けることにもなる。だが、中国の春節休み感染症拡大リスクについては、どれほど警戒しても十分ということはないと、改めて警鐘を鳴らしたい。
そして、ほとんどの感染症が手洗いやこまめなうがい、マスクなどで飛沫を減らし、人込みを避けるということで予防ができるということを思い出してほしい。
福島 香織(ふくしま・かおり):ジャーナリスト
大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。おもに中国の政治経済社会をテーマに取材。主な著書に『なぜ中国は台湾を併合できないのか』(PHP研究所、2023)、『習近平「独裁新時代」崩壊のカウントダウン』(かや書房、2023)など。