「海外巡業」は国内同様、商業ベースで開催されるので、相撲協会巡業部の管轄だ。興行に必要な経費やギャラをスポンサーである勧進元に請求することになる。

平成20年にウランバートルの元国営サーカス場で行われたモンゴル巡業

過去31回もの海外興行

 過去、海外公演は

モスクワ・ハバロフスク(昭和40年)
北京・上海(昭和48年、平成16年の2回)
メキシコ(昭和56年)
ニューヨーク(昭和60年)
パリ(昭和61年)
ブラジル(平成2年)
ロンドン(平成3年)
ウィーン・パリ(平成7年)
メルボルン・シドニー(平成9年)
バンクバー(平成10年)
ソウル・釜山(平成16年)
ラスベガス(平成17年)

の計13回。

 海外巡業は

「ハワイ」(昭和37年、41年、45年、47年、49年、59年、平成19年の7回)
「ハワイ・ロサンゼルス」(昭和39年、51年の2回)
「マカオ」(昭和41年)
「サンノゼ・ロサンゼルス」(昭和56年)
「マドリード・デュセルドルフ」(平成4年)
「香港」(平成5年)
「サンノゼ・ハワイ」(平成5年)
「台湾」(平成18年)
「ロサンゼルス」(平成20年)
「モンゴル」(平成20年)
「ジャカルタ」(平成25年)

の計18回。

 合計で31回も行われてきたが、近年は不祥事の連鎖による人気低迷や、新型コロナウイルス禍により、海外での興行は開催されなかった。

 今年の「ロンドン公演」は「ジャカルタ巡業」以来12年ぶり、公演となると「ラスベカス」以来20年ぶりとなる。

 海外興行は、アメリカやヨーロッパなどだけではなく、旧ソ連や中国と共産圏の国も訪れるなど、まさに全方位外交。チョンマゲに浴衣姿のスモウレスラーは、どこの興行地でも「日本古来の格闘技、そして文化の継承者」として破格の歓迎を受ける。「裸の大使」としての役割を十分に果たしていた。