適正な円相場の水準は?
私は、円相場のあるべき姿は1ドル110〜120円程度と考えています。円安で訪日外国人が増えてインバウンド市場が盛り上がっていますが、これは単に日本を安売りをしているに過ぎません。極端な言い方をすれば、私たちは円安によって3割くらい貧乏を強いられていたわけです。
11月の大統領選でトランプ氏が勝利したら、ドル安の是正に舵を切るでしょう。購買力平価で考えても、適正な水準へと円高はさらに進むのではないでしょうか。
とはいえ、円高がずっと株価にネガティブな影響を与えるわけではありません。落ち着きを取り戻せば、しっかりと企業の実力が株価に反映される世界になるはずです。
これまでのように、円安バブルで実力がない企業の株価まで上がるということはもうないでしょう。日銀が大量のETF(上場投資信託)を購入し、日本株全体を押し上げるということも、この先はなくなっていくでしょう。
他方、資本コストを意識して構造改革を進め、収益性を改善してきた企業は投資家からしっかりと評価されるようになります。かつてのバブル崩壊との違いはここにあります。今回の大暴落を経て、実力のある企業がしっかりと選別されるようになるのです。
では、今後の焦点はなんでしょうか。