10年単位の長期視点で経験値を上げるしかない

 新NISAで資産運用を始めた方たちにとっては、今回の大暴落は初めての経験です。円高が進んだことで、「オルカン」や「S&P」といったドル建てのインデックス連動型の投資信託に投資をしていた方は、含み益が大きく吹き飛んだことと思います。なかには、マイナスに沈んでしまった方もいるでしょう。

 今回の大暴落は、インフレ前提社会になったことによる日銀の追加利上げが1つのきっかけとなりました。しかし、インフレ前提社会は株価にとってはいいことです。インフレに伴って企業の業績数値も上昇していきますし、そうなれば株価も上がっていきます。

 つまり、短期的な相場の乱高下に左右されず、コツコツと資産運用を続けることこそが、インフレ社会の恩恵を得る必須の条件とも言えるわけです。資産運用で大切なことは、10年単位の長期視点です。相場の大きな調整は数年ごとに起きる可能性があります。それでも投資を続け、経験値を上げ、成功体験を積み重ねていくしかありません。