焦点はFRBの利下げの「幅」

 まずは9月に予定されている米連邦準備理事会(FRB)による利下げです。もはや、利下げがあるかどうかではなく、その幅が焦点です。0.25%ではなく、0.75%一気に下げると予想する向きもあります。「3倍速」で利上げをしてきたのだから、利下げも0.25%ずつではなく、その3倍もありえるというわけです。

 また、日銀がさらに利上げをするかも焦点です。植田総裁は先の金融政策決定会合後の記者会見で、さらなる利上げをほのめかしました。「0.5%の壁」とも言われますが、日銀としては利上げをしたいのでしょう。

 もはや日本もインフレが前提の社会に転換したと言っていいでしょう。そうした状況で日銀は、インフレ社会にふさわしい金融政策の選択肢を得られる状態に戻したい、つまり、金利の上げ下げで物価をコントロールできるようにしたいわけです。

 前任の黒田東彦総裁は「黒田バズーカ」とも呼ばれた異次元緩和を10年続けました。しかし、金融緩和を続けても実体経済、産業界は強くならなかった。緩和政策の限界が明らかになったいま、日本経済はこれまでとは違う政策で成長していかなければなりません。ただ、今回の日本株の大暴落や景気の状況を踏まえると、さらなる利上げは難しいでしょう。