12月13日を「南京事件の日」にした習近平主席
習近平総書記は、就任当初から自己の体制のスローガンを「中華民族の偉大なる復興という中国の夢の実現」(略して「中国夢」)と定めて、現在に至っている。「偉大なる復興」とは、「日本軍に侵略された過去を払拭し、強国を造る」ことを意味するから、「侵略された象徴」である12月13日は、ことのほか重要なのである。
実際、2014年2月27日には、「12月13日」を、「南京大屠殺死難者国家公祭日」(南京大虐殺の死者を国家が祀る日)に定めた。そして同年の12月13日には、自ら南京に赴いて、「南京大屠殺死難者国家公祭儀式」(南京大虐殺の死者を国家が祀る儀式)を盛大に開催。黒い喪服を着て、左胸に白い花輪をつけて壇上に上がり、厳しい表情で重要講話を述べた。
「1937年12月13日、中国を侵略した野蛮な日本軍が南京に侵入し、壮絶な南京大虐殺の惨事を引き起こした。30万人の同胞を殺戮(さつりく)し、無数の婦女を蹂躙、殺害し、無数の児童の命を奪ったのだ。3分の1の建築が破壊され、大量の財物が略奪に遭った。中国を侵略した日本軍は、人間性を滅した大虐殺の惨事を一手に行い、第二次世界大戦史上の『三大惨事』の一つとなった。聞くに堪えない反人類的罪行であり、人類の歴史上でしごく暗黒の1ページなのだ……」
習近平主席のこうした態度は一貫している。例えば、「人類運命共同体」を唱えてあれほど世界中を訪問しているのに、日本だけはまだ一度も公式訪問していない。今年1月1日には、「愛国主義教育法」なる厳格な法律まで施行し、その第28条ではこう明記した。
<中国人民抗日戦争勝利記念日(9月3日)、烈士記念日(9月30日)、南京大虐殺死者国家公祭日(12月13日)及びその他の重要記念日に、県級(日本の市にあたる)以上の地方自治体は、記念活動を組織、展開しなければならない。献花を行い、記念物を仰ぎ、烈士の墓を祀り、公祭などの記念儀式を挙行しなければならない>
このように定めた「初年度」が、今年の12月13日だったのだ。日本側が身構えたのも、むべなるかなだった。