カギを握る道路に設置するセンサー

 例えば、合流地点では、トラックが通過したことを道路側にある機器が検知して、本線を走行している一般車に対して「自動運転車 合流注意」との道路表示を行う。

 また、一般車が本線に合流する際、その情報を本線中の自動運転トラックに知らせて減速するなど速度調整する。

浜松SAでの実証について報道陣向けに紹介するパネル。飲食施設などが入る後方の建物の外観は、地元の楽器メーカーで製造するピアノの鍵盤をモチーフにしている(写真:筆者撮影)

 こうした状況を想定して、今回は浜松SAと駿河湾沼津SAのほか、その中間に位置する、遠州森町PA(パーキングエリア)や浜松浜北IC(インターチェンジ)も含めて実証実験を行う。

 もうひとつは、交通や道路の状況を先読みするための情報支援だ。

 これは、高速道路上の交通事故、落下物、そして工事規制などについて、道路管理者から自動運転トラックに対して情報を送り、減速や車線変更する仕組みだ。

 具体的には、道路側のシステムが情報を自動運転トラックに提供するのは交通事故などが起こっている地点の5km手前とする。

 その上で、最初の約2kmを情報確認区間とし、次の約3kmで車線変更などを試みる。

 では、こうした自動運転トラックを走行させる仕組みを整備するコストを誰が、どうやって負担するのか。

 自動運転トラックを実現するにあたっては、トラック側に設置する装置と、道路側に設置する装置、そして全体の運用を行うシステムが必要になる。

 まず、トラック側の装置については、すでに市場に出回っているトラックに後付けするキットや、新車販売の時点で自動運転システムを装着する方法などが想定される。

 国が進める技術の標準化についてはトラックメーカー各社が協調する領域となるが、それ以外は競争領域となる。そのため、各社の戦略に応じて投資額や量産車の価格を独自に判断することになる。

 例えば、RoAD to the L4とは別枠で今回の実証実験に参加する自動運転トラック事業のスタートアップ「T2」の場合、後付キット、新車装着にかかわらず遠隔監視などトータルでの運用プログラムを商品化することを目指して開発を進めている。

 一方、実際のコスト負担が大きいのは、道路側への装置の設置やシステムの運用を担うNEXCO各社などの道路事業者だ。