Plusモデル、22年に14シリーズで復活
20年にアップルが4モデルラインナップに移行した後、iPhoneの販売は大きく伸びた。このときは、「iPhone 12 mini」「同12」「同12 Pro」「同12 Pro Max」という構成で、Plusは含まれなかった。
だが、その後の22年、同社はiPhone 14シリーズでPlusを復活させた。これは、同社が14年に初めてiPhoneを2つの大きな画面サイズ(①iPhone 6=4.7インチ、②同6 Plus=5.5インチ)で発売した際の空前の販売実績を再現しようと試みたものだった。しかし、米経済ニュース局のCNBCによれば、22年のPlus戦略はかつてのようにはいかず、Plusはその翌年も伸び悩んだ。
新しいハイエンドiPhone登場か
アップルは今後もiPhoneの「4モデル戦略」を継続すると予想されるが、少しアプローチを変えるかもしれないとCNBCは報じている。下位モデルにminiを、中間モデルにPlusを配置する代わりに、新しい最上位モデルを導入する可能性もあるという。
アップルにとって、ハイエンドモデルの投入は理にかなっているとCNBCの記事は指摘する。近年、同社の高価格帯モデルは低価格帯モデルよりも好調だからだ。例えば、中国ではiPhone 16シリーズ発売後3週間、16 Pro・16 Pro Maxの販売が23年の15 Pro・15 Pro Maxと比較して44%増えた。16 Proシリーズはインドでも好調に推移しているようだ。
アップルにとって高価格帯モデルは売り上げ増につながるほか、利益率の向上と平均販売価格の上昇にも寄与する。加えて、熱心なファンを1つのハイエンドiPhoneにつなぎとめておくこともできるとCNBCの記事は指摘する。
24年会計年度のiPhoneの売上高は2011億8300万ドル(約31兆2000億円)だった。これは前年度比0.3%増と、ほぼ横ばいだった(アップルの決算資料)。