FA宣言するも阪神残留を決めた大山選手。新人時代は食事による体重管理に苦しんだ=2023年2月(写真:共同通信社)

 開幕2軍スタートとなり、金本監督から1軍昇格条件として、体脂肪を落としながら体重5キロ増のノルマを課されました。2軍のトレーナー陣が「Bigger マウンテンプロジェクト」と名づけたプロジェクトがスタート。ときには食堂に1時間半もこもって無理やり胃袋に詰め込んでいました。ただの増量でなく、筋肉だけで5キロ以上増やすのですから大変です。

 6月中旬に1軍昇格が決まったときに、「何が一番きつかった?」と聞くと、「食べることです」と。食べ盛りの若者が、あれだけ過酷なウエイトトレーニングより「つらい」と言うのですから想像を絶します。でも、そのおかげで1年目後半からは主力打者として活躍できたのです。

【POINT】

  1. 野球選手はプレースタイルに合った体づくりを重視し、ウエイトトレーニングと食事管理を通じて、シーズンを乗り切る体力を養うことが重要
  2. 専門家の指導を受けつつ、自分の特徴を活かしたトレーニングを行うべき
掛布の打撃論』(掛布雅之著、日本実業出版社)