愛人とはセックスできていた野崎氏、性行為に覚醒剤が必要だったのか
事件は2018年5月24日、「紀州のドン・ファン」と呼ばれていた和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助氏(享年77)が自宅2階の寝室で覚醒剤の大量摂取で怪死していたことが発見されたことで始まった。それから約3年が過ぎた21年4月21日に妻の早貴被告が殺人など容疑で逮捕・起訴された。
2人が入籍したのは18年2月のこと。野崎氏は3度目の結婚、早貴被告は初婚で、55歳の歳の差婚だった。彼女が入籍の事実を知人らに知らせていなかったのは、愛情も無い遺産目当ての結婚であったためだということが、今回の裁判で被告自身が明確に認めている。
公判は今年の9月から始まり28人もの証人が法廷で証言した。最後に3回の被告人尋問が残され、冒頭の発言が飛び出した11月15日が最後の回だった。
この2カ月に及ぶ検察側と早貴被告側との攻防について、傍聴を続けた司法記者は次のように感想を述べる。
「検察側は彼女が野崎氏と入籍前から『完全犯罪』『老人死亡』などの検索ワードを使用していたことを明らかにしていました。そして、野崎氏が自殺した可能性が無いことを立証しようと多くの証人に供述させ、それはある程度成功したと思います。
また、覚醒剤の入手方法についても、売人を出廷させて被告が田辺市内の自宅近くで購入したことを認めさせました。ただ、これについて早貴被告は、野崎氏がセックス時に勃たないことで被告に対して『覚醒剤を購入して欲しい』と依頼したものだと証言しています。
それに対して検察は、野崎氏の長年の愛人であった大阪の女性(JBpe
ressでは「菜々ちゃん」と記してきた女性)を証人に呼び、『(私とであれば)社長とはセックスは出来ていました』『勃たせることはできました』『精子も出ました』といった赤裸々な証言を引き出しました。野崎氏は勃たなかった、だから覚醒剤の力を借りようと本人が購入を希望したという早貴被告が主張するストーリーを否定するためです。