広東省をよりハイエンドな産業の集積地に、という見方も

 この産業・都市移転を促進するために、国家として税制優遇措置、優先的な土地供給、インフラ投資など一連の政策を導入し、中部・西部地域がこれらの企業を受け入れることができるよう保証することを目的としている、らしい。

 こうした動きについて、「東部地域の資源を内陸に解放し、広東省はハイエンドの製造業、現代的なサービス産業、情報産業の発展に集中することができ、世界の産業チェーンにおける地位を高めることができる」「四川省などの中西部に多くの雇用機会をもたらし、地域経済のさらなる上昇につながる可能性がある」「中西部地域の若者は、沿海部に出稼ぎに出て来なくとも地元で就職でき、地方は大きな発展のチャンスを得ることもできる」といったポジティブな見方もある。

 必ずしも戦争を想定した準備ではなく、「この企業移転は、将来起こりうる国際的な変化に備えるためだろう」「生産能力の一部を内陸に移すことで、将来不確実な出来事が起こった場合でも、自国の産業チェーンに頼ることができるようにするためだ」という指摘もある。

 実はこうした三線建設的プロジェクトのような産業移転の動きはこれが初めてではない。