滑り込むのはこの4校

 順当なら、残りは4校。大混戦が必至で予想は難しいが、あえて選んでみたい。

 まずは明大だ。予選会は過去3年間、1位、2位、2位で通過しており、非常に得意としている。綾一輝(2年)が外れたが、その穴は全員でカバーできるだろう。中央学大は選手層に不安があるものの、10000m27分台のエース吉田礼志(4年)、日本学生ハーフ2位の近田陽路(3年)で稼ぐことができる。それから神奈川大は1月から中野剛監督が就任。前回の予選会(7位)でチーム10位以内に入った選手が6人卒業するも、全日本選考会を7位で突破した。今回も難関をくぐり抜けると読んでいる。

 悩ましいが、ラスト1枠は順大と予想する。6月の全日本選考会で17位と惨敗。日本インカレ3000m障害を連覇した村尾雄己(3年)、関東インカレ1部10000m8位(28分13秒67)の玉目陸(1年)ら全日本選考会を走った5人を予選会のメンバーから外す大胆な采配で勝負に出る。そのなかで浅井皓貴(4年)、海老澤憲伸(4年)、吉岡大翔(2年)ら好選手を軸にしっかりと合わせてくるだろう。

 すでに10校を挙げたが、例年予想はすべて当たらない(※昨年の正解は13校中10校だった)。これから挙げる大学にも可能性は十分にある。

 留学生を擁して、前回通過を果たしている国士大、駿河台大、山梨学大は本当に僅差につけている。一方、前回10年ぶりの突破を果たした東農大はエース前田和摩(2年)が登録されておらず、厳しい戦いになりそうだ。

 他にも前回15~19位の麗澤大、拓大、上武大、専大、日本薬科大はケニア人留学生を擁しており、今回もボーダーライン付近の勝負を繰り広げるだろう。なかでも麗澤大は全日本選考会で過去最高の13位に入っており、初出場のチャンスが十分にある。それから国立の雄・筑波大、陸の王者・慶大、近年レベルを上げている芝浦工大と明治学院大にも注目したい。

 日本人トップ争いは吉田礼志(中央学大4)、花岡寿哉(東海大3)、阿部陽樹(中大4)、山口廉(日体大4)、馬場賢人(立大3)、宮本陽叶(神奈川大3)、東泉大河(駿河台大3)あたりか。関東インカレ1部5000mで6位に入った岡田開成(中大1)の走りも楽しみだ。

2024年5月9日、 関東インカレ、男子10000mでの花岡寿哉 写真/千葉 格/アフロ

 天気予報では10月19日の立川市・昭和記念公園はレース中の気温が24~26度ほどになる見込み。午前中は晴天で体感温度はかなり高くなるはずだ。レース中の気温が16~18度だった前回のような高水準の戦いにはならないだろう。どのようなレースペースを設定するのか。選手の実力だけでなく、指揮官の“分析力”と“采配”が試される予選会になりそうだ。

 気象コンディションを考えると大波乱の予感十分。予選会の熱いドラマは9時35分にスタートする。