トヨタ的「上手にモノを捨てるコツ」

■STEP2 「捨てられない!」を乗り越える

 世の中には「物を捨てるのが苦手なんだよね~」という方がいます。「捨てる」という判断にはリスクも伴うため、ついつい判断を避けてしまいたくなるのだと思います。

 この「捨てられない!」をどうやって乗り越えればいいのでしょう。トヨタでは、次のような取り組みを実践しています。

①捨てる基準(判断基準)を定めて、一大決心を避ける
 誰しも、一大決心や大きな決断は、心理的な負荷が大きいものです。一品一品、要否を検討し、いちいち「捨てるぞ!」と決心や決断を繰り返していては、誰だってすぐ心理的に疲労してしまいます。

 そのため、捨てるという決断の心理的な負担を極力少なくすることが1つのポイントになります。できれば機械的な判断で捨てるか残すかを決めていけるような仕組みをつくることがおススメです。

 具体的には、「再購入やつくり直した場合に○○円以下で済むなら捨てる」「最終版のデータ以外は捨てる」というようにあらかじめ判断基準を定めておき、その判断基準でふるいにかけて、捨てるか残すか、振り分けていくようにするのです。

 機械的に捨てるか残すかを振り分けることができると、決心や決断が一切不要となり、作業はとてもラクになり、継続性も向上します。

捨てる技術