男子5000mは早大の4年生がプライドを誇示

 男子5000mも強豪校のエントリーが少なく、スタートラインに立ったのは16人。序盤からスティーブン・ムチーニ(創価大2)が先頭をひた走ると、日本人選手では伊藤大志(早大4)が食らいついた。

 ふたりは3000mを8分25秒で通過。残り4周を切ると、伊藤が苦しくなる。

 ムチーニが13分52秒25で完勝。伊藤は最後まで粘り、14分05秒82で日本人トップを守り切った。3位は草刈恭弓(東海大3)で14分07秒36だった。

「表彰台と日本人トップは確実に取らなきゃいけないと思っていたので、ひと一安心です。ギリギリ(の状態)ではなかったので、残り1500mぐらいでムチーニ選手に離れちゃったのはもったいなかったかな」

 今回は“安全策”で日本人トップを確保しただけに、満足はしていなかった。それでも欠場したチームが多かったなかで、日本インカレに臨んだのは名門・早大のプライドといえるだろう。

「早大競走部としてはトラックでも勝たなきゃいけないと思っていたので、日本インカレに出場しました。この夏は4年間で一番練習が積めていますし、チーム全体の仕上がりがいい。駅伝シーズンはこれまで以上に戦わなきゃいけないかなという気持ちになっています」

 駅伝主将が日本インカレでキッチリと結果を残した早大。昨季は出雲5位、全日本10位、箱根7位だった三大駅伝で上位を狙っていく。

1500m王者が学生駅伝に参戦予告

 男子1500mはこの種目で関東インカレを連覇している高村比呂飛(日体大4)が3分44秒11で完勝。昨年の日本インカレは2位だったが、最終学年で学生日本一のタイトルを獲得した。

「前回大会は3日前にぎっくり腰になったこともあり、ラストスパートにうまく反応できなかったのが敗因です。今回は調整に気をつけてきましたし、1200mぐらいまで余裕があったので、スクリーンを見ながら(他の選手が)近寄っていないことを確認してゴールできました」

 今夏は半分を駅伝ブロック、もう半分を中距離ブロックで過ごしてきたという高村。昨季までと異なり、今季は学生駅伝の参戦を視野に、夏合宿では32kmの距離走もこなしてきた。

「箱根予選会は(練習量が)ちょっと足りないかなというのが正直なところですけど、全日本大学駅伝は距離の短い1区、2区あたりを走りたいと思っています」

 駅伝は敦賀気比高2年時に出場した全国高校駅伝(7区)が最後。高村は伊勢路で約5年ぶりとなる駅伝を駆け抜けて、箱根路に向かっていきたい考えだ。

「箱根駅伝の距離は未知数すぎて、どこまで対応できるかわかりません。でも、高校時代の同級生である田中悠登(青学大4)から『お前ならできるよ』と声をかけてもらっていますし、彼はアナウンサー志望なので、最後に一緒のレースを走りたいですね」

 1500mの学生王者が箱根駅伝にチャレンジしていく。