色褪せぬ七冠馬・ルドルフの偉業
3度にわたり三冠馬の先輩・シービーを完封したルドルフは、その後、ジャパンカップ、有馬記念を制し、「七冠馬」の称号を得ます。そして満5歳の春、満を持して世界進出をめざしますが、あいにく米国での最初のレース中に故障、帰国し引退となりました。その成績は全16戦13勝、G1勝利7度。「皇帝」
1988年春、当時私は月刊誌の編集部に在籍していました。映画『優駿』のロケ現場取材のため北海道に出張、斉藤由貴・緒形直人の取材を終えると、名門シンボリ牧場を訪問、すでに引退して2年経過していましたが、あこがれのルドルフに会いに行きました。
牧場の柵内にいたルドルフは、私が近づくとすぐに寄って来ました。少し興奮気味だったようで、競馬場ではいつも落ち着き払っていたルドルフですが、内に秘めたる気の強さの一端を、そのとき私は見たように感じたものです。
私の仕事場には、ルドルフが引退した1984年秋に発売された「1985 競馬報知カレンダー」が今も飾られています。だいぶ色褪せてきてはいますが、表紙には「史上最強の三冠馬 シンボリルドルフ」という活字が誇らしく記されています。偉業が色褪せることはありません。
(編集協力:春燈社 小西眞由美)
※9月20日に公開した記事に誤りがございました。つきましては、下記のように訂正いたしました。ご迷惑をおかけいたしましたことを、深くお詫び申し上げます。
(誤)ルドルフは引退までに国内で15戦していますが、1番人気でなかったのはこのレースだけです。
(正)ルドルフは引退までに国内で15戦していますが、1番人気でなかったのはこのレースと4戦目の弥生賞のときの2回だけです。