しかしそういわれても、これだけで降圧剤を中止するわけにはいかない気がする。担当医に、「先生、こう和田先生はいってますが、実際のところどうなんですか?」と訊く勇気もわかない。
「高齢者の血圧は130と150」では生存曲線は変わらないが、「180を超えると悪化する」ことがわかっているらしい。
それで和田氏は「私は心肥大が見つかり、降圧剤で140に下げた」ことがあるが、ボーッとして仕事にならなかった。「そこでいまは、170くらいを目安にコントロールして」いる、という。
しかしこれを聞いても、「なんだ、170くらいまでは大丈夫なんだ」とはならないのである。「血圧130超えたら、胡麻麦茶」というCMが脳に刷り込まれたこともあるが(サントリーの思うつぼだ)、それよりも、わたしが入院していたとき、管を繋がれて一日中眠っていた脳梗塞患者の姿が忘れられないからである。
で、医者からいわれた、一日に水を最低1.5リットル飲むようにという注意も、基本的に守っているわけである。
降圧剤については、最近その弊害がいわれるようになった。血圧に関しても、基準値を10下げると製薬会社が数億ドルか数十億ドル儲かるという話も聞き、国際血圧学会と米の製薬会社の陰謀だという説も一概には否定できない気がする。
それでも、脳梗塞の患者の再発率が高い、と聞くと、降圧剤をやめるにはやはり躊躇がある。それにいまのところ、薬の副作用も感じていないのである(もしかしたら小さな異変が生じているかもしれないが)。
ただ和田氏は、降圧剤を「無暗に」飲まないこと、といっていて、降圧剤を全面的に否定しているわけではない。
塩分を控えているにもかかわらず
和田氏は塩分量についても書いている。
これもわたしが気にしている数値である。採血検査でクレアチニン(CRE)値が出る。正常値は男性の場合0.61~1.08mg/dLなどとされている。これが高いと腎機能に影響が出、危険値を超えると人工透析になるという(これが嫌なのだ)。
この値がわたしの場合、1.3とか1.4とかあり、正常値を大幅に超えているのである。2020年には1.23だったのが、2023年には1.45まで上がったのである。腎臓機能がよくない場合、塩分を控える方がいいようなので、摂取を意識的に7gとか8gに抑えているにもかかわらず、上がるのである。
厚労省の基準では、1日の塩分摂取量は男性で7.5g未満、女性は6.5g未満とされている。しかし和田氏は「世界的な大規模調査では、食塩を1日に10~15g摂取している人の死亡率が一番低く、10gを切ると急に死亡率が上がる。つまり、日本だけ基準が厳しすぎるのです」といっている。
これも素人にはわからない。ちなみにWHO(世界保健機構)は、一日5g未満を推奨しているのである。